反り腰ってどうなん?
- sisimaisisimaisisi
- 8月8日
- 読了時間: 4分
反り腰という言葉が巷ではよく使われておりますが、実は正確な定義はありません。
それはなぜか?なぜならばなんとなく腰が沿っているような人、仰向けに寝た時に腰が浮いているそのようなものを見て
そう呼んでいる人が多いからです。
ただ腰椎が沿っているように見える人に腰痛の方が多いのは事実なので、それを見て「反り腰だから腰痛があるんですよ」
という人が多いだけのように思います。
実際腰が反るという状態にはいくつかのパターンがあります。
①単純に腰椎が柔軟な人;女性に多く、また小さい頃からバレーや、体操、ダンスなど柔軟性のトレーニングをしている方に多いです。特に重篤な問題はありませんが、柔軟性はありすぎる一方、体重が増えたり、身長が高くなったり、筋力が低下すると腰痛など症状が起きる可能性があります。
②骨盤前傾を伴うもの;女性に多く、またスポーツを真剣にやっている方に多い。スポーツを真剣に行うと、複雑な動きや俊敏な動きをする際に腰椎前弯(腰を反ること)そのためより腰を反るために骨盤を犠牲にします。その状態が自然に元に戻れば良いですが固定されると腰が反った状態になってしまいます。そうなると腰痛だけではなく、腰椎への過剰な負荷や、体のバネを使った出力を出しづらくなるためスポーツのパフォーマンスの低下や負荷を過剰にかけた時に怪我の原因となります。
③骨盤後傾を伴うもの;男性や高齢者に多いです。デスクワークのしすぎや、猫背など姿勢の悪さにより骨盤が後傾が進むと腰が反りづらくなります。しかしスポーツや負荷の強い動きをする際腰を反らざる負えない時があります。その際に腰椎の形が破綻します。レントゲンで見ればわかりますが、棒のようになった腰椎が途中で折れるように反りを見せています。
他にも腰が反って見えるような状態は多種多様にあります。
こうして考えると「反り腰だから治療はこの方法だ!」という単純な考えは危険だということがわかります。腰が反っていてもその反り事態はなんの問題もなく、腰痛の原因は他にある可能性が十分あるからです。
症例
次の写真はスポーツ選手で骨盤前傾を伴う、反り腰の治療前と治療後の比較です。
前にも書きましがスポーツを真剣に行っている、腰椎を反らせるシーンが多くなります。腰椎の反りの原因を練習後、試合後に適切に修正するとすぐに反りは解消するのですが、多くの場合は自分でストレッチをしたり、マッサージなど受けても、それを修正することができずそのまま就寝してしまいます。そうすると骨盤前傾や腰椎の前弯が定着していきます。定着すればするほどストレッチなどの修正などが困難になり、パフォーマンスの調子の悪さが続いたり慢性的な腰痛の原因となります。
上記動画は定点カメラで撮影し、自分が一番美しくまっすぐ立っている状態を作ってくださいと指示を出しています。最初が治療前、治療後です。腰椎が反っている状態ではお腹が張り出しており、上半身ものけぞっています。これはある意味腰椎が反りきっている状態に近いため、腰椎の反りが適度なものと比べて腰椎の可動性が制限されます(反りの伸び白がない状態)。そのため腰を反って力を出したくても、出しづらい状況になります。そのためパフォーマンスの動作時に違和感を感じたり、力が入らないような感じするという現象が起きます。
動画の後半は40分ほどの治療後で、腰の反りが軽減し、足から上半身にかけて比較的まっすぐ重心が乗っています。加えて股関節周りの柔軟性や肩甲骨周囲の柔軟性も改善しています。
まとめ
反り腰とは定義のない曖昧な表現であり、腰が反っている状態は複数の原因から起こることであり、もっと場合分けをして考察すべき複雑な病態であると考えた方が良い。
何もケアせずに骨盤と腰椎が常に正常な状態を維持し続けるのは至難の技です。特に過度なスポーツや逆に運動習慣がなくずっと座っていることがあれば尚更です。この骨格の初期段階の異常を気づくには軽い腰痛・肩こりなど症状が軽いため、なかなか治療に足が向かないと思いますが、定期的なケアにより良い状態は維持できるため普段から気をつけてみてはいかがでしょうか?(当院では1ヶ月に1回もしくは2ヶ月に1回ほどのケアを勧めています、適切に治療できていれば週何回も通う必要性はありません)
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